夏になると、市民大会レベルのテニストーナメントにほぼ毎年出場する。

真夏の炎天下で試合をしていると、頭が暑くなって何度も気分が悪くなる。 (前日飲みすぎたという時もよくあるんだけれど...)

若い人にまじって、40や50以上の「おやじ」も倒れそうになりながら テニスをしている。

こういった「おやじ」が勝敗にかかわらずに全力を尽くして、走っている のを見るといつも「何か」教えられる。

ある試合会場で、試合に敗れた「おやじ」がくたくたになって会場の ベンチに真っ黒な顔を空に向けて、倒れるように寝転がっているのを 眺めていたら、「何か大切なもの」を感じた。

僕は物知り顔をして、若者を見つけて説教する「かわいそうなおやじ」 だけにはなりたくない。

テニスの会場で見た、あんな「おやじ」でいつづけたい。

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人生は積み重ねだと、誰でも思っているようだ。僕は逆に積み減らすべき だと思う。

財産も知識も、貯えれば貯えるほど、かえって自在さを失ってしまう。

捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。

今迄の自分なんか、蹴飛ばしてやる。そのつもりで、ちょうどいい。

(岡本太郎)

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