。。。。。。。。。。。。。。。。    

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。私はスペイン人の。。。。。。

。。個人生活を高く買っている。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。むしろ愛しさえしている。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。ナポリ人と同じく。。。。。。。

。。彼らは、。。。。。。。。。。。

。。イギリス人のように。。。。。。

。。あたらしい服を買うために。。。

。。一日十五時間。。。。。。。。。。

。。働くくらいなら、。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。穴のあいた服を。。。。。。。。

。。着ているほうが。。。。。。。。

。。ましだというのである。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

。。実は、私は。。。。。。。。。

。。この意見に賛成。。。。。。。

。。なのである。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。


   - スタンダール

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。。。。。。。。。。。。。。。。

。。なかなか 熱くならないので、。

。。夏 を体で感じ取ることは。。

。。まだ 出来ないでいるけれど。

。。そんなことはおかまいなしに。

。。季節は巡っていく。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。夜中に家の近くを。。。。。

。。歩いていたら。。。。。。。

。。暗闇に ぼーっと。。。。。

。。光る何かが。。。。。。。

。。目に入った。。。。。。。。

。。近づいてよく見ると。。。。

。。セミが脱皮をしている。。

。。最中だった。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。まるで夜光虫か。。。。。

。。蛍のように。。。。。。。

。。薄緑の冷たい光を。。。。

。。発していた。。。。。。

。。羽は薄いクリスタルガラス。。

。。みたいに透明で。。。。。。。

。。そよ風が吹くだけでも。。。。

。。割れそうな気がした。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。もっと近寄って。。。。。。。

。。そのセミの目を見つめた。。。

。。セミと僕の目が合った。。。。

。。彼は一瞬 困ったような。。。

。。表情を浮かべたが、。。。。。

。。しばらくしてから。。。。。。

。。何事もなかったように。。。。

。。目をそらした。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。僕が彼に何をしようと。。。。。

。。彼はどうすることも出来ない。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。余りにも奇麗だったので。。。

。。僕は彼を家に持って。。。。。

。。帰りたくなった。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。彼がとまっている。。。。。。

。。枝ごと取ろうとしたけど。。。

。。もし落ちてしまったら。。。。

。。すぐに 「ぱりん」と。。。。

。。割れてしまいそうなので。。。

。。止めた。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。立ち去る前に。。。。。。。

。。もう一度彼の目を。。。。

。。見つめた。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。

。。すると 少し。。。。。。。

。。はにかんだ表情をして。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。僕に何かのメッセージを。。

。。送ってきた。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。すると、僕の頭に。。。。。。

。。「銀河系」のイメージが。。。

。。ぱっと 浮かんだ。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。

。。触れる位に近づいてみた。。

。。。。。。。。。。。。。。。

。。彼の目の中には。。。。

。。無数の小さな。。。。。。。

。。銀河系が渦巻きながら。。

。。浮かんでいた。。。。

。。。。。。。。。。。。。

。。。。。。。。。。。





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