そのように見ていくと
絵は見るため
さらには残すために
描かれたのでは
ないことが分かります


絵を描くという
行為自体が
そこでは
大切だったのです


絵を描くという行為
を通して
彼らは未知との
交信をし


神話の世界を
確立することにより
この天体を支配する
目に見えない
超自然的な世界との
コミュニケーションをも
図り
ある種の夢、希望、
ロマンを生み出して
いたのではないかと、
私は考えます




  -  千住博                   

********************************



表現することは
生きることで


生きることは
表現すること


正しいとか
正しくないとか
そんなものではない


存在を確認するため
表現し続ける


ためらっているうちに
時は通りすぎてしまう


空気は風となって
僕達に何かを
伝えようとし


水は川になって
命の行き着く
場所を
教えてくれる


虫たちは
なくことで
求愛することを
思い出させる


夕日は
地平線に
沈み
移り行く
美しさを
体現する


雲は
浮かび
その形を
変え


なくなり
また現れ
つながり
流れ


見えることと
見えないこと


存在 と 普遍
について
僕達に
語りかけている



************************************







[Forward] [Essays Home] [Backward]