湧き来る狭霧

むらさきの

地球はかをる

土の息


月こそ神よ

まどかにて




  - 北原白秋


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地球から
月が
みえなくなったら

それは それは
退屈な
夜になって
しまうことだろう

月に
満ち欠けが
なくなって
しまったら

なんて平凡な
日々になって
しまうことだろう

ぽっかりと
夜空に浮かんだ


あたりまえの
ように
浮かんでいるが

実に
不思議な
存在だ

どうして
あんなに明るく
輝くことが
出来るのだろう

どうして
人をからかって
いるような
模様が
あるのだろう

僕の身体は
大地に
べったり
へばりついて
いるのに

心といったら
ふわふわと
月のほうへと
吸い寄せられて
いってしまう





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