会場となるノマディック美術館は、
ashes and snow専用の移
動美術館である。
ニューヨーク・ピア54
、 カルフォルニア州サンタモニカのピア
を経て、東京・お台場に造られた。
建築家・坂茂氏によって設計された
この美術館は鉄製貨物コンテナと
再利用できる資材で作られた
広さ5,300平方メートルの
ユニークな建築物となっている。


人間と動物との距離感が
あまりにも近すぎて、
常に人間として生きている
ことを意識している
わたしたちは彼の作品に、
瞬時に惹き込まれてしまうのだ。


人間も同じように、
地球から生まれた動物のひとつ
であるということ、
そして古代からの友人のように、
人間と動物との交流の瞬間を
美しく捉えた写真と映像には
誰もが心をうたれるだろう。







   - グレゴリー・コルベール作品展案内





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砂漠のような
広大な土地に
膝まづき
経典のような
本を読んでいる
少年

そのすぐ前には
大きな象が
少年の前に
ひれ伏している

ひれ伏している
対象は
少年だろうか?
経典だろうか?
少年が読み上げる
声にだろうか?

この二人は
自分たちの力では
到底及びもつかない
何かが存在するのを
きっと
確信しているのだろう

コルベールは
彼でしか
とることの出来ない
写真を
とりつづけてきた

彼にとって
写真をとるという
行為は
他の写真家のそれと
明らかに
異なる

そのことに
人々は何かを感じ
彼の作品を
見にやってくる

そして彼の作品の前で
写真の象のように
ひれ伏してしまうだ







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