「わたしがたった一つ知っているのは」
ファインマン先生は続けた
「こんないいつたえだ」
「虹の端っこに天使が
黄金を置いていて
それに手が届くのは
裸の男だけってね」
「裸ならもっと他に
することが
ありそうなもんだけどね」
先生はいたずらっ子のように笑った
「虹がどうやってできるか最初に説明したのは
誰かご存知ですか?」
「デカルトだよ」
そう言うと
少し間を置いてから
先生は私の目を
覗き込んだ
「デカルトが虹を
数学的に分析しようと
思ったのは
虹にどんな特徴が
あるからだと思う?」
「えーっと
虹は水滴の浮かんでいる
大気に
観測者の後ろから
日が差したときに
出来る色の
連続体で
正確には円錐体の
断面です」
「それで?」
「デカルトはその水滴に
注目して
虹の成り立ちを
幾何学的に
分析すれば問題は
解決すると
かんがえたんじゃ
ないでしょうか?」
「君はこの現象の
大切な特徴を
見落としてるな」
「分かりました
降参です
デカルトを研究に
駆り立てたのは
何だと
おっしゃるんですか?」
「デカルトが
その気になったのは
虹を
美しいと
思ったから
だよ」
- レナード・ムロディナウ
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。。。。。。。。。。。。。。。。
。。外の空気は薄緑色に変わり。
。。夜には。。。。。。。。
。。虫たちが。。。。。。
。。じーーーっと。。。。
。。何かの呪文を。。。
。。唱えるように。。。
。。鳴き始める。。。。
。。。。。。。。。
。。この季節の。。。。
。。風には。。。。。。。
。。太古からの。。。。。
。。手紙のように。。。。
。。解読しきれない。。。。
。。情報がたくさん。。。
。。包み込まれている。。。
。。。。。。。。。。。。
。。それに。。。。。。。。
。。僕はじっと。。。。。
。。耳をすます。。。。
。。。。。。。。。。。。。
。。感じることを。。。。。
。。拒絶した現代の。。。
。。大人たちは。。。。。
。。。。。。。。。。。
。。本当のことに。。。
。。気づくのが。。。。
。。怖くて。。。。。。。
。。風の届かない。。。。
。。箱の中に逃げ込む。。。
。。そして 平凡で。。。。
。。退屈な歌を。。。。。
。。口ずさむ。。。。。
。。忙しい、忙しい。。。
。。。。。。。。。。。。
。。子供はそんな。。。。。
。。大人たちに。。。。
。。偽りの世界を。。。
。。叩き込まれ。。。。
。。その内に。。。。。
。。汚れた大人に。。。
。。なっていく。。。。。
。。。。。。。。。。。。
。。誰にも見えない。。。
。。自分だけの。。。。。。
。。コンパス。。。。。。
。。ものさし。。。。。。
。。そんなもの。。。。。
。。を絶対に。。。。。。
。。忘れないこと。。。。。
。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。
。。人や世間の歌でなく。。
。。自分自身の歌を。。。
。。平気で歌いつづける。。
。。こと。。。。。。。。
。。下手であることが。。
。。最高に。。。。。。
。。美しい。。。。。。
。。僕はそんな。。。。
。。歌がききたいと。。
。。そう思う。。。
。。。。。。。。。
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