子供の1日、一年は
濃密だ


点と点の隙間には
更に無数の点が
ぎっちりと詰まり
密度の高い
正常な時間が
正しい速さで進んでいる


それは、
子供は順応性が高く
後悔を知らない
生活を
送っているからである


過ぎたるは
残酷なまでに切り捨て
日々訪れる
輝きや変化に


節操がないほど
勇気を持って進み
変わっていく


なんとなく
時が過ぎることは
彼らにはない





  - リリー・フランキー


**********



月に何度も
新幹線に乗る
そのたびに


違う空
違う色の雲
富士山
夕日を見る


夕日の中を
走り抜ける
新幹線の中は


とても
神聖な空間に
なる


左に海と
右に少し
きりたった
山々の間を
急ぎ足で
駆け抜ける


トンネルの中の
真っ暗な
死の世界と


トンネルの外の
生の世界を
行ったり来たり


死と生が
めまぐるしく
入れ替わって
いく


太陽を中心に
地球が周り


原子核を中心に
電子が周り


なにもない
場所を中心に
生が
周りつづける


動きは
決して
止まらない


あらゆる
存在は
関係性の中で
その意味が
立ち上がって
いく


熱海駅を
あっという間に
とおりすぎる





************************************







[Forward] [Essays Home] [Backward]