曇り空の午後
駅前広場でひとり
ぽつんとたたずんで
いるようなとき
時間は
身体のなかで
長くなったり
短くなったり
さまざまに
変化して
老人を若者に
若者を子供に
連れ戻す
- 堀江敏幸
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たくさんの情報が
絶え間なく
頭の中に入ってくると
頭の中は
情報だらけで
考えるスペースが
どんどん
どんどん
なくなっていく
情報を
消化しきれない
頭は
暴走をし始める
朝起きる
情報が入ってくる
昼仕事する
情報が入ってくる
夜家に帰る
情報が入ってくる
そのなかで
脳みそは
次第に
眠ってしまい
自分は自分自身で
なくなっていく
だから
頭の中に
スペースを
あけてやろう
窒息しそうな
部屋に
気持ちのいい
カゼを
送り込んで
やろう
そして
しばらく
そのまま
待つことに
しよう
そこに
自分自身の
奥底から
ゆるぎのない
本物の
思考という
芽が
出てくるだろう
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