作る側の立場から見ると
すべてがギャンブルであり
未知の世界だ
かつて
何万の芸術家が
してきたように峰の知れぬ
山を何かの引力に引かれて
登るのだ
もしこの峰の深みが
知れていたら
明日からの私の人生は
灰色になってしまう
描くこと
造ることが
これほど不可解で
アンビションに満ちた
人間の闘争の場で
あることを
私は日々新たに
知る思いだった
- 草間弥生
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自分が理解でき
納得できるものだけ
身の回りに
集めだすことで
人はもの分かりの
いい
大人になっていく
何でも分かった
ようなふりをして
退屈な日常に
埋もれていって
しまう
これほど
あらゆるものが
瞬間 瞬間
輝いている
というのに
惰性の中で
生きているという
実感さえ
次第に
薄れていって
しまう
新たな知識なんて
何もいらない
スキルを
身につけようと
すればするほど
目が曇って
いってしまう
小学生の
夏休み
日中は全てが
輝き
日が暮れて
夜になると
全てが真っ暗な
闇に包まれる
希望と不安が
交互にやってくる
表現されること
さえ拒んだ
得体の知れない
感情が自分の
周りに渦巻き
ただ、ただ
息苦しくなる
子供のころは
頭ではなく
生きることの
喜びや恐怖を
直視し
逃げずに
確実に生きていた
そう
生きることを
理解しようと
しないで
ただ
生きていた
はずだ
もうそれ以上
大人になろうと
しなくっても
いい
大切な何かを
置き忘れてきた
あの夏の日に
その何かを
取りに戻れば
いい
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