後に大学に進み
仕事をし
アメリカに渡り
その都度
いろいろなバーに通った

そんな積み重ねが
日本だけで500軒もの
バーに足を運ぶことになった

この一年父が危篤になり
人生で初めて
断酒を試みた

だが、酒を止めてまでの
願掛けも何の足しにも
ならなかった

結局、人生
呑んだもの勝ちだ

そう
思い改めた



- たまさぶろ



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複数で飲むのも
好きだけど
一人でワインバーに
ふらっと立ち寄って
飲むのも大好きだ

一人で飲んでると
自然といろいろな
ものが頭や体から
放電して
自分自身が
ニュートラルに
なれる

より自由に
軽く

いいバーには
凛とした佇まいが
ある

あたかも
茶室のように

大阪で一人
立ち寄ったバーの
マスターと
一時間ほど
話をさせていただいた

彼は僕に語った


いろいろな場所で
ワインを飲んでるのですが
家で飲むよりやはり
バーで飲むほうが
断然美味しいのです

なぜか?
ずっと考えていたのですが
先日ようやく分かりました

何だか分かりますか?

それは匂い

だったんです

家には生活する上で
いろいろな家庭の
匂いがあります

ただ面白いのは
ずっとそこにいると
その匂い、空気
に慣れてしまって
その匂いを感じなく
なってしまうのです

ただ、その匂いが
ワインの味わいを
邪魔しているようなのです


この話は僕にとって
とてもシンボリックで
興味深く聞かせて
いただいた


人は慣れ親しんだ
生活の場、職場、
通勤、仕事仲間 など
いろいろな要素を
匂いをまとっている

ところがその匂いに
本人は気付かなく
なっていく










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