マヤ、オルメカ、アステカなどの文明が栄え
世界遺産が多い国として知られるメキシコは
インディオ文化のアイデンティティを
誇りとしながらも
スペインによる侵略など
長い植民地時代を余儀無くされました

1910年にメキシコ革命がぼっ発しますが
この前夜1907年に
フリーダ・カーロはメキシコに生まれます






   - 「フリーダ・カーロとその時代」解説文より




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極限の苦痛の中で
絵を描く

さまざまな苦を
かかえていながら
不思議とその絵から
じめじめとした
いやな雰囲気は
ない

いや、それとは
逆に
からっとした
開き直りのような
明るさ
楽しさを
感じ取ることが
できる

あたかも
自分の体から
幽体離脱した
魂が自分自身を
見つめその視点で
自分自身を
冷静に見つめる
ような
第三の眼がある

フリーダの絵は
絵そのもの
だけではなく
その視点のある
空間や世界へ
見る人を
連れ立ってい<って
くれる

そこは、普通に
我々が生活している
場所とは異なる
世界だ

僕たちもその
「場所」に知らない
間に行き来している
のだけれど
そのことを
意図的に捕らえる
ことは出来ない

フリーダの絵を見て
その過激さに
思わず目をそむける
人もいる

しかし、しばらく
眺めているうちに
どこか懐かしさ
心地よさのような
感覚を覚え
その場に時間を立つのも
忘れ
立ち尽くす

表面的にはとても
陽気に聞こえる
モーツァルトの奥底に
悲しみが見え隠れ
するように

フリーダの残酷な絵の
向こう側から
無邪気な明るさが
私たちを
照らし出している









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